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大籠キリシタン殉教公園への道のり② 東北のキリシタンの歴史をふんわり学ぶ

大籠というのは岩手県県南部、ほぼ宮城との県境にあります。一関市ではあるけど、気仙沼の方が近いかも。とにかく宮城からも岩手県内からも絶妙にアクセスが悪い。 私生まれも育ちも岩手県だけど、生まれて初めて行ったわ。

 

仙台藩におけるキリシタン

さて、そもそも九州や西日本が中心だったキリスト教信仰が、なぜ江戸時代初期にこの遠く離れた東北の田舎にまで広まったのか。そのあたりが疑問だったのですが、それには伊達政宗が大きく関係しています。

 

大籠は当時伊達政宗がおさめる仙台藩でした。

んで政宗キリスト教の布教に関して超ユルユルだったんです。最初の禁教令とかほぼシカト。

というのもルイス・ソテロさんというスペインの宣教師が、政宗の側室の病気を治してくれたから。ソテロくんに「病気治したから布教していい?」って聞かれたら政宗くんも了解せざるを得ないじゃん。つか宣教師ってだいたい「我が国の技術や知識や物資を提供する代わりに布教していい?」って感じだったっぽい。あとスペインとの交易をしたかったのもあるのかな。

更には自分の部下の支倉常長をソテロくんと共にスペインに行かせてローマ教皇に謁見させたりします。そして支倉くんが紹介してくれた超優秀な部下、ソテロくんとの取次をしていた後藤寿庵が界隈では割と偉めのキリシタンでした。この後藤寿庵なくして岩手のキリシタンの歴史はなかったのでは。県南地域、特に奥州市の人なら名前を聞いたことがある人もいるかもしれません。当時水不足で困っていた奥州市水沢の地に水路をひいて堰を作ってくれたそうで、今でも寿庵堰として残ってます。

寿庵くんはルイスくんとの取次から農地改革から奥州の布教まで担っためちゃくちゃ仕事の出来る人だったんですよ。この人のこともあとでちゃんと調べてみたいなぁ。

 

そして更にもうひとつ、東北には鉄資源が豊富だった。金山や鉱山があり、製鉄が盛んでした。かつて奥州藤原氏が栄えていたのもこのおかげ。

 

鉱山あるところにキリシタンありです。ポイントは2つ

  • 質の高い製鉄の技術を教えたのは海外から来た宣教師だった

製鉄の高い技術は宣教師たちによって日本人に教えられ、ついでに(どっちがついでなのか)キリスト教の教えも広まったらしい。

んで元々「たたら製鉄」(もののけ姫のアレ)を行っていた大籠に千松兄弟という岡山のキリシタンの兄弟が、より質の高い製鉄の技術を教えに招かれます。この人たちが大籠の民にキリスト教の教えを広めたと言われています。

※めちゃくちゃ長い蛇足。この千松兄弟というのは実在していなくて、この正体は後藤寿庵と、大籠で長い間教えを説いていたバラヤス神父であり、禁教令により罪人となった二人の名前を公に語ることは出来ないので千松兄弟として語り継がれていたのでは…という説を説いているブログがありました。調べてみたら確かに時代の辻褄が若干合わないんだよなぁ。ザビエルが来たのは1549年で九州で細々布教して、その後織田信長が京都での布教を許したのは1568年。岡山でキリスト教が広まったとされるのが1585年。岡山から千松兄弟が来たとされてるのは1558年。おかしくない?だから千松兄弟=後藤寿庵・バラヤス神父説もあながち間違いではないのでは?と思います。

f:id:doburoku-taro:20211126223722j:image説教されてる訳では無いと思う。教えて貰ってんだと思う。

「新しい製鉄法も教えてくれたし、なんかいい事言ってるし凄い人だな〜!」と感動した田舎モンは改宗しちゃう訳ですよ。知らんけど。そりゃ何もないこんな田舎で仕事(製鉄)以外特にやることも娯楽もない中、外国から来た新しい神様の教えなんて、もはやそれはエンタメじゃないですか。イタリアから来たマリトッツォだって大ブームになったじゃないですか。田舎にスタバが出来たら行列が出来るじゃないですか。イオンが出来たらみんな行くじゃないですか。私の憶測だから実際のところどうだかは分かりませんけど、こんな感じもあったんじゃないかと思うんですよね。そもそもこの頃の日本におけるキリスト教の教えって浄土真宗の教えと若干混同されてる気がするんで(信仰すれば天国に行ける=死ねば極楽浄土に行ける)とっつきやすかったんじゃないかな。

あとこれは遠藤周作の小説「沈黙」の中で語られていたけど、その時の日本の寺(仏教)って、だいたい政治とセットなんだよね。坊主はだいたい権力者の味方だった。(日本じゃなくても他の国でも宗教と政治はセットだったんだろうけど)高い税金ばっか取る権力者の味方である仏教(坊主)と、階級や身分を持たない庶民が豊かに暮らしていくための技術や知識を授けてくれるキリスト教宣教師だったら、果たしてどっちを信用するか?って話ですよ。

もう蛇足ばっかりになってしまった。蛇足がメイン。

 

千松兄弟のおかげでどんどん増えてく大籠のキリシタン。ついには地元の寺や神社がなくなります。f:id:doburoku-taro:20211126234449j:imagef:id:doburoku-taro:20211126234559j:image追い出された、とか逃げた、って書いてあるの穏やかじゃないね。今でも大籠地区にはお寺がないんだって。

 

  • 東北には鉱山がたくさんあった

中尊寺金色堂が出来るくらいだからそりゃまぁ金だのなんだのたくさん採れたんでしょう。

当時の鉱山は元々流れ者が多く、治外法権のような場所だったらしいです。なので隠れキリシタンが潜伏しやすかった。そういえば昔秋田の尾去沢鉱山に行った時に、坑道の壁に小さな窪みがあって、そこにマリア像だか十字架だかの(行ったの10年近く前だからどっちだか忘れてしまった…)ようなものを掘った跡があるのを見たことがありました。

調べてみたら盛岡藩でも紫波の佐比内金山などがあったのと、あとはやっぱり寿庵くんの影響もあって少なくないキリシタンが居たそう。

 

蛇足ばっかりでごちゃごちゃしてしまったけど、まとめると

  1.  藩主である伊達政宗くんがキリスト教に寛容だった
  2. 支倉常長くんも後藤寿庵くんも頑張った
  3. 鉱山がいっぱいあったので製鉄教えてもらう代わりに布教させた
  4. 鉱山がいっぱいあったので禁教令が出ても隠れやすかった

迫害されていたキリシタン達にとって、仙台藩は「最後のパライソ」だったのかもしれません。

 

何度も言うけどふんわりと調べてふんわりとまとめているので、出来事が前後してたり矛盾してたりするし、おまけに私の解釈も混じってたりしてるので、ちゃんと知りたい人はちゃんと調べてください…。

岩手のキリシタンの事を調べようと本を探したんだけど、岩手の歴史の出来事だし図書館に行けばあるかな?と思って行ってみたら、藤沢町で刊行している「大籠の切支丹と製鉄」という同人誌みたいな見た目の冊子が地元の図書館にありました。これはその辺の本屋さんやネットでは買えないので有難かった。大籠の資料館でも売られているらしいです。欲しい人は大籠へ行こう。

 

次回はようやく!実際に行ってきた大籠の資料館や史跡の事を書きたいと思います。

 

大籠キリシタン殉教公園への道のり① 日本のキリスト教の歴史をふんわり学ぶ

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岩手県一関市藤沢町に「大籠キリシタン殉教公園」というのがあります。岩手県民でもあんまり知ってる人いないかもしれない。ほぼ宮城だし。その名の通り大籠地区のキリシタンが殉教した、という歴史を後世に語り継ぐ為の施設です。

そういう施設があるよ〜というのはなんとなく知っていたけど、マジで踏み絵くらいしか知識が無かったので「どうせ行くならきちんとキリシタンの事を知ってからの方が良いのでは!?」と行く前に色々調べたのでまとめてみました。

wikiとか本とかで調べたことをふんわり自分なりにまとめているだけなので、ちょっと違う部分もあるかもしれません、鵜呑みにしないでください。

 

まずは日本におけるキリスト教の歴史を知る

布教から弾圧までの流れ

歴史の問題です。

問.キリスト教が日本に伝来したのは何年か。また誰が行いましたか?

解.なんか信長とかがいるあたりにザビエルがやった。

以下こんな感じで進みます。

別にテスト受けたりするわけじゃないんで年号とかは端折っていきます。あくまでふんわり。

そう、あの有名なフランシスコ・ザビエルです。蛇足だけど実はザビエルってハゲてなかった説ある。

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まずキリスト教には「カトリック」という派閥と「プロテスタント」という派閥があるんだけど、(仏教でいう曹洞宗とか浄土真宗とかの違いだとふんわり思ってくれ)その頃ザビエルんちのあたりではプロテスタントがめちゃくちゃ勢いを増していたので、こいつぁ負けてらんねぇ!とカトリックのザビエル達イエズス会達は布教の旅に出ます。

 

信長は寛容だった

んでインドのゴアを経由して中国に行く途中にたまたまついでに日本に寄って、最初鹿児島だかで布教してたんだけど、なんやかんやあってイエズス会織田信長の庇護を受けて最初は京都、次は九州を中心に日本にキリスト教を広めて行くわけです。信長ほらそういうの好きそうじゃん、なんか外国のアレとか好きそうじゃん。あと寺嫌いだからね信長くんは(比叡山延暦寺焼き討ちとかしちゃうし)

この頃日本において改宗したキリスト教(カトリック)信者はキリシタンと呼ばれました。九州あたりの大名もたくさんキリシタンになりました。(交易に有利だったので。鉄砲とか貰える。わーい)

 

豊臣秀吉は追放令を出した

んで本能寺の変で信長がやられちゃったあと、豊臣秀吉が日本を治めてた訳だけど、布教自体は容認していました。

ただ秀吉のオキニの坊さんが「ポルトガルの人たちが日本人を奴隷として海外に連れ去ってる」とか秀吉にチクッたんですよ。それ聞いて秀吉くんカチンときちゃって、宣教師は日本を出てって下さい!とバテレン追放令」を出します。

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バテレン追放令では単純に布教が禁止されてただけなので、信仰や海外との交易は制限されませんでした。しかし交易に紛れ込んで残ったり新たにやってきた宣教師と信者は色々調子こいちゃったので(外国商船の人に日本舐めプ・征服発言された)とうとう秀吉くんはブチ切れして日本人含めた信者26人を処刑してしまいます。長崎に舟越保武の有名な彫刻あるじゃん、それがこれです。

そもそもキリスト教の布教=日本の植民地化という側面もあったそうなので、秀吉くんの判断もごもっともと思えなくもない。とにかくめちゃくちゃ勢いを増していたキリシタンが脅威だったんですね。一揆とか怖いし。

重ねて言うけどバテレン追放令においてはキリスト教の信仰は許されていたので、ここで一般のカトリック信者が弾圧されることはありませんでした。

 

徳川江戸幕府のはじまりとキリシタン弾圧

んで関ヶ原で秀吉もやられたあとは徳川の世になり、家康によってこんどは禁教令が出されます。きっかけが何だったかな、なんか外国船とトラブったとかそんな感じ。この辺利権が絡みまくっててマジでややこしい。でもここではキリシタンの弾圧はそこまで厳しくなかった。宣教師などの流刑はあっても処刑はない。

しかし徳川の代が変わるごとに弾圧が厳しくなる。二代秀忠はかの有名な踏み絵させたり、この頃に関西や九州で大規模なキリシタンの捕縛、そして殉教がたくさんありました。拷問しまくり。

三代家光の頃になると全国でキリシタンの処刑が起こります。江戸で50人、東北で109人、長崎で38人。もう我慢ならねぇとキリシタンが中心になって一揆を起こしたんだけど、これが島原の乱(歴史上一番大規模な一揆天草四郎のやつ。天草四郎については戦国鍋TVのシマバラン伝説聴いて下さい。シマバラン伝説/ 天草四郎と島原de乱れ隊 - YouTube)ただ宗教以外の理由も絡んでの一揆だったから、この一揆で亡くなったキリシタンは殉教者としてカウントされていないんだとか…。

しかしこの島原の乱のおかげで更に弾圧が強まる。

 

ちなみにこの時代かどうか忘れたけど、キリシタンを密告すると報奨金貰えたそう。その報奨金が銀30枚というのを見て「イスカリオテのユダ…皮肉…」と思いました…

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イスカリオテのユダとはキリストの弟子でありながらキリストを裏切って敵対勢力に売り、その褒賞として銀貨30枚貰った人です。

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キリスト教に興味がわいた人は聖☆おにいさんを今すぐ買え。ただし読むと葬式とか法事の度に笑うことになる。

 

苛烈な拷問と隠れキリシタン

キリスト教殉教者 記念研修会館

ここを読んでくれ……

あとこれも見てくれ……

遠藤周作の小説を映画化。私は予告でもうちょっと無理かもと思った。こんな重々しいオリジナルしおり(4枚セット)誰が欲しいんだよ。あと3時間近くあるんだよこの映画。大籠行く前に観ようと思ってたけど、観たら逆に行けなかったかもしれない。

あくまで棄教させるための拷問だったらしいんだけど、こんなの棄教どころか普通に死ぬ。あと仙台の広瀬川がそんな場所だったなんて全然知りませんでした…。

海を越えてやってきた宣教師の中には純粋にキリストの教えを広めたいと思って、日本のキリシタンと信頼関係を築いてた人もたくさん居たんだろうに。別にクリスチャンじゃないけどこれには同情せざるを得ない。

こんな感じで拷問があまりにも酷かったので、棄教した人もたくさんいたと思います。だけど棄教したフリをしたりして、密かに信仰を続けていた人達もいたのです。それが隠れキリシタンと呼ばれる人達。

人里離れた洞窟の中でミサをしたり、様々な方法で十字架やマリア像を隠し持ち、祈り続けました。

そんな隠れキリシタンがいた場所のひとつが「大籠」なのでした。

 

 

 

前フリだけで長くなっちゃったけど、果たしていつ大籠にたどり着けんだろう。

 

 

 

楽しく歴史が学べるオススメ漫画第1弾

学生の頃はそこまで歴史に興味がなかったんですけど、大人になってちょっと遠くまで旅行に行くようになったりしたときに「どうせ史跡に行くのならきちんと背景を調べてから行った方が楽しめる」と思ったのがきっかけで色々調べるうちに歴史の面白さに目覚めました。

元々知識欲を満たすことに楽しさを覚えるタイプの人間なので、そういう人には歴史ってピッタリだよね。

歴史小説も好きだけど、やっぱりとっつきやすいのは漫画だと思うので、私がわかりやすいかつ漫画としても面白いなと思った物をちょっとだけ紹介します。

 

 

大化の改新(645年)前後の時代を舞台にしています。なんか蘇我入鹿とか出てくるやつ。

ぶっちゃけ史実には沿ってないんだけど、新解釈で中大兄皇子(天武天皇)と天智天皇(天武天皇の弟)の愛憎が描かれています。そもそも「中大兄皇子天智天皇の愛憎」って…。腐女子が好きそうな匂いがするだろ。個人的には「藤原」の姓が出来たくだりが興味深かったです。完結済。

あとこの曲を聞くと中臣鎌足蘇我入鹿の関係についてふんわり覚えられます。

KMTR645 feat. ネコカミノカマタリ

KMTR645 feat. ネコカミノカマタリ

  • レキシ
  • J-Pop
  • ¥255

 

続いてはこちら。学問の神様と言われる「菅原道真」を主人公にした作品。これもまぁフィクションなんだけど、都で起こる様々な「怪異」と呼ばれる事件や人間関係の拗れなんかを、稀代の色男である在原業平(なんかめっちゃモテる歌詠むのが上手い人。ちはやぶる  神代もきかず〜が有名)と共に、道真の「知識」で解決していく名探偵道真くんのお話です。

話と話の間に解説ページというか、平安よもやま話的なコーナーがあるんですがそれも面白いので必読。こちらは未完結。

 

男女の双子のきょうだいが入れ替わり、平安時代の宮中を生きるラブストーリー的なお話。この男女入れ替わることを「とりかえばや」というんだけど、実は古典をもとにした設定。「とりかえばや物語」というのがあったらしいです。史実ものではないけれど、当時の着物なんかの書き方がきちんと描かれていてしっかり時代考証がされてる作品。平安ものは比較的絵が流麗な作品が多いけど、さいとうちほの描く平安は可愛らしさもあって読みやすいです。完結済。

 

大昔に読んでいたのでうろ覚えなんですが、岩手にもゆかりのある源義経が元ネタ。ちゃんと藤原三代も出てくる(名前が平泉秀衡とかになってるけど)

普通の女子高生、りょうは実は牛若丸を名乗る源義経だった。現代の記憶を植えつけられた「りょう」こと義経と、義経平安時代から追いかけてきた武蔵坊弁慶が時代を超えた恋に落ちる壮大な歴史ファンタジー上田倫子の代表作のひとつであり、「マーガレット」平成7年NO.13~平成11年NO.17に掲載された作品。https://mangapedia.com/リョウ-0m59d0rb9

この漫画でうすらぼんやりと平泉の歴史を学んだ記憶があります。源義経を扱った少女漫画ってこれだけでは?完結済。

 

言わずと知れたよしながふみの男女逆転大奥です。映画にもなってましたね。これ読んでおけば大体歴代徳川将軍の事覚えられる。もれなく全員キャラが立ってるので「あ〜大奥で〇〇してた人が〇代将軍の〇〇だったな」って感じ。男女逆転してるけど。最近完結した。まだ最終巻読んでない。

 

幕末、新選組ものはほんと沢山ありすぎるんだけど、こちらは女の子が男として新選組に入隊した所から始まる沖田総司とのラブストーリー…。なんだよそれ。でも新選組と時代の流れをすごく細やかに描いている少女漫画だと思います。めちゃくちゃ歴史や当時の文化の考証してる。これも最近ようやく完結した。

 

幕末からもうひとつ。こちらは幕末の中でも土佐勤王党武市半平太という地味な人物にスポットをあてた作品。ちなみに坂本龍馬の幼なじみです。武市半平太が現代にタイムスリップしてくる話なんだけど、歴史とか全然わかんね〜ていうギャルの女の子がいて、その子のおかげでこちらも分かりやすく土佐勤王党や幕末の出来事を学べます。ありがとうギャル子。(名前忘れた)あと武市先生カッコいいです。完結済。

 

明治初期、イギリス人の女性冒険家「イザベラ・バード」が東京から「蝦夷」を目指して日本の文化や生活を書き残そうと旅する物語。実際昔の日本のことって京都や江戸のことが中心に語られていて、私の住んでる岩手とかいわゆる田舎って一体どんな生活や文化があったのかよく分からない。ましてや明治初期なんて古いものはどんどん淘汰されていってただろうから、イギリス人ながらこうして他国の文化を残そうと奔走した人が居るってありがたいことです。未完結。

 

 

戦国時代にあんまり興味がわかなくて戦国時代ものはあまりないです。「信長協奏曲」とか「雪花の虎」「アシガール」も面白いけど、どうしても戦国時代モノは戦のシーンが多くて(バトルもの苦手)読み流しちゃうんだよな…ドラマチックな戦国時代漫画あったら教えてください。

 

 

世界史編

言わずと知れた名作。読んだことはなくてもオスカル様はみんな知ってるでしょ。高校生の頃めちゃくちゃハマったんだけど、世界史の教科書でフランス革命のくだりがわずか2ページぐらいで書かれてて憤りを感じ得なかったです。あの熱いドラマをたった2ページで済ませるなんて…。完結済。

 

同じくフランス革命の頃の話なんだけど、これは代々続く処刑執行人の話。ギロチンを開発したのはこの人。ルイ16世マリー・アントワネットも出てきます。エログロです。

ちょっと劇画調なんだけどとにかく作画がヤバい。話ももちろん作り込まれているんだけど、作画がヤバい。本当に書き込みがすごい。作者寿命削って描いてると思う。体調が心配です。紙でもいいんだけど絵の細かい所を存分に見て欲しいので電子書籍をオススメする。完結済。しかし番外編?続編?で「イノサン・Rouge」というのもありますのでそちらも読むべし。

 

森薫はイギリスのメイドもの(エマとかシャーリーとか)もすごく素敵で大好きなんですけど、今回はこっち!歴史ものというか19世紀当時の中央アジアの生活文化のお話。ストーリーとキャラがね、良いんですよすごく。歴史を揺るがすものすごい事件が起こる訳じゃなく(そこそこデカい事件は起きるけど)旅をしてる中で出会った人達の生活やちょっとした出来事を切り取った漫画。先述の「ふしぎの国のバード」とちょっと似てるかも。

「ほっこりする」というのはこういう作品読んだ時に使うんだよ分かったか!!未完結。

 

 

 

歴史が学べるというより歴史ファンタジーが中心になってしまったけど、きっかけさえあればそこからどんどん知りたくなるのが歴史の面白いところだと思うので、漫画きっかけに史実をきちんと調べてみるのもいいと思います。

学生の頃にこういう漫画をもっと読んでおけば良かったな〜。

かもめ食堂が怖い

かもめ食堂を観てフィンランドに憧れて新婚旅行で行った」という子がいた。

はーはぁ、かもめ食堂ね、なんか聞いたことはあるけど見たことなかったな。小林聡美とか片桐はいりが出てるやつだよね。こんな田舎からフィンランドに行くにはさぞかし大変だったろう、まず新幹線で東京まで行ってそこから成田、そこからも10時間以上。旅費だってかなりかかるだろう。そこまでさせるくらいの映画なのか、ちょうどアマプラで見放題になってるしちょっくら観てみるか。

 

 

 

 

 

以下映画のネタバレを含みます。

 

 

 

 

小林聡美が(何故か)フィンランドで「かもめ食堂」という食堂を経営してるんだけど

まずね、なんでフィンランドで食堂やってるの?っていう疑問がマジで最後まで解明されない。聞かれてもふんわりテキトーないい事っぽい意味ありげな、でも全然意味の無い嘘しか答えない。怖い。

小林聡美片桐はいりもたいまさこも「なんでフィンランドなのか」とか「どういう人間なのか」とかいう背景がほぼ一切分からないんですよ。(小林聡美以外の2人はフィンランドに来た経緯は話していたけど理由は謎)

セリフのひとつひとつも、意味ありげで全っ然意味ないの。ふわふわしてる。「ガッチャマンを歌える人に悪い人はいない」とか、何?それで会ったばかりの他人を家に泊まらせるの怖くない???セリフとアクションが全然繋がらない。

もたいまさこロストバゲージした荷物が見つかったくだりなんてほぼホラー。こんなの死後の世界だよもう。全て夢オチであってくれよ。怖いよ。

なんやかんや大したことないきっかけで地元の人間ともちょこちょこ交流が生まれたりして、全然客が居なかったかもめ食堂に特に苦労も努力もなくどんどんお客さんが来るようになって大繁盛めでたしめでたしどんど晴れ

 

全編通してずっっっっとふわふわしてて意味がありそうで全然ない。よく分からない人がよく分からない設定でよく分からない事をして終わる。とにかく「地に足が着いていない」映画だった。

ファンタジーだと思えばまぁ、って感じだけどファンタジーというにはキャストがな…(これが若手女優とかだったらまだファンタジーというよりもイメージビデオ的な扱いになったのかもしれない)

かもめ食堂Google検索しようとするとサジェストで「気持ち悪い」って出てくるんだけど、この「気持ち悪い」というのは消化不良的な意味の「気持ち悪い」もあるんじゃないかなと思う。映画の雰囲気自体への嫌悪感からの「気持ち悪い」って人もいるだろうけど(それもなんとなく分かる)「いい事言ってるでしょ」「深いこと言ってるでしょ」的な押しつけがちょいちょい感じられるんだけど全然深くもなんともねぇ。そこが「気持ち悪い」

 ていうかこれでフィンランド行きたくなるか??言うほどフィンランドっぽい所出てこなくない?これ観てフィンランド行きたくなるならミッドサマー観ても北欧行きたくなるよね?違うとは言わせねぇ。

 

めちゃくちゃ絶賛している人とめちゃくちゃ嫌いって言う人がかなり割れている印象。私もどちらかと言えば後者。

でも私、映画観る時って体力気力がある時なんだけど、この映画に関しては全く体力も気力も消耗しないのでその点は良いなと思った。精神がすり減らない。ただ時間だけが減る。

「ほっこりしました」とかいうレビューを書いている人もいたけど、私だってほっこりしたかった。ほっこりしたくて観たのになぜこんなに怖い思いをせねばならんのだ。イッタラのグラスかち割ってそれで手首切って死ぬかマリメッコのエプロンで首絞めて死ぬかしないとそういう人間には生まれ変われないのか。それが出来なければIKEAを彷徨う亡霊になるしかないのか。

 

「意味の無いふわふわした」って散々言ったけど、基本的にいつも感性が死んでいて映画観ても「映画だなぁ〜」位の感想しかないんでそのせいかもしれない。

でもかもめ食堂はマジで作り手の意図が私には分からなくて薄気味悪くて怖かった。

 

 

裸の男と炎の祭り(※公式キャッチコピー) 黒石寺蘇民祭②

もう4時だぞ正気か。

10時からこの時間まで裸で外にいるんですよ、死ぬよ。どういう精神状態なの。

 

あ、争奪戦が始まると終わるまで駐車場から出庫禁止になるので、もし途中で限界!帰りたい!となった場合は気をつけてください。帰るなら4時前に帰れ。

 

 

いよいよ蘇民袋の争奪戦が始まります。本堂に男たちが続々と集まり場所取りをしています。

時間になると親方が小刀で蘇民袋の封を切るんですが、それまでの間で撮影禁止のタイミングがあったはずなので行かれる方は注意してください。行かないと思うけど。(誰かフラッシュ焚いてむちゃくちゃ怒鳴られてました)

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蘇民袋の封が切られた瞬間、一斉に男たちが動き出します。上から飛びかかる人、人の上に乗っかる人…どっかで見たことあるな、と思ったらライブハウスのそれでした。モッシュとダイブを想像してもらえると一番分かりやすいです。

激しいけど多分BRAHMANのライブよりはマシです。

 

ちなみに蘇民袋の中にはこんな護摩木が入っていて、拾えるといい事あるんだって。私は自力では拾えなかったんですが、隣にいた知らんおじさんがくれました。
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蘇民袋はただの麻袋なんだけど、その結び口により近い部分を取った人が「取り主」と呼ばれその年のMVPになるんだそうです。

もみくちゃの団子状態になりながら、境内を出ます。もうこの状態じゃどこに袋あんのか分かんないのでは…誰も分かんないままモッシュが繰り広げられているのでは…

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パトカーや救急車も待機しています。

 

裸の男のもみくちゃ団子は境内を出て、更に寺の敷地からも出て一般道へなだれ込みます。

時刻はもう5時近く。朝だし一般道なので当然車が通るんですが、その度に1度取り合いが止められ全員「スンッ……」となるのがシュールでした。いや、仕方ないけどさぁ。危ないからね。

あと途中「ダメだ!じゃんけんで決めろ!」という親方の声が聞こえたりしたんですがじゃんけんで決めるなら最初からこんな祭りしなくてもいいじゃない…。

怪我を防ぐためなのかもしれないけど、平和的解決方法をここに持ち込むのが正しいのか分からない。殴り合いで決めろとは言わないがじゃんけんは…じゃんけんはなぁ…。

そんな感じで獲り合いの間は見てる方は正直グダグダです。

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空も白んで来た頃、いよいよ取り主が決まりそうに!!地元のマスコミもその瞬間を逃すまいと必死に食らいつきます。

ちなみにここまで境内から多分1キロくらいは下ってきたのでは?その辺の田んぼだか畑だかになだれ込んで佳境を迎えます。

この辺りになると脱落した人も結構多くて遠巻きに眺めたりしてる。

 

何がどうなったか分からなかったけど団子が解れたので、どうやら今年の取り主が決まった様子。(もう全然わかんなかった)(なんならちょっと眠くて覚えてない)(途中グダグダが長くて飽きてた)

 

この年は確か花巻市の方だったと思います。意外と県内のみならず全国各地から蘇民祭ファンが集まって参加してるので、地元の奥州市以外の人が取り主になることもあるみたい。

 

取り主が決まるとぞろぞろと皆で境内へ戻るんですが、前を歩いていた外国人のお兄さんが「来年ハ絶対取リタイ!!」と熱く語っていたのが印象的でした。海外の方も参加してるの、凄いよねぇ…。

 

取り主が決まったのを見届けたあとはちょっともう眠気が限界だったので、そのまま境内へは戻らず駐車場へ行き帰りました。朝までオールなんて何年ぶりだ。

2回行ったうち、最初に行った時は寒くて争奪戦まで居られずに帰ってしまったので、この時は無事見届けられたし最初から最後まで居られたので満足です…。

 

 

今思い出してもあの雰囲気は現場に居ないと味わえない、正に「奇祭」でした。ずっと聞こえる「ジャッソー」「ジョヤサ」の低い掛け声がまた「この世じゃない」感を醸し出している。明かりもほぼ火しかないしね。(終始報道陣や観光客のカメラのフラッシュバチバチなのでそこまで薄暗い印象はないけど)

 

あと男のケツを一生分見ました。

裸の男がゲシュタルト崩壊しかけて、一緒に行った友人(男性)に「なんで貴方はふんどしじゃないの…?」と聞くくらいには全員ふんどし。(ちなみに当日飛び入り参加も出来るみたいで売店でちゃんとふんどし売ってる)

今でこそふんどしだけど2007年くらいまで付けてなかったらしいよ。ただそういう目的の人達が沢山来ちゃったり、公然わいせつにあたるのでは?という警察からの声もあったりで(それに対しては野暮なこと言うな!という反論も勿論あった)今はふんどし着用が決まりになったそうです。何回ふんどし言うんだよ。

 

 

平安時代くらいから続いてるらしいけど、こんな変な催し(褒めてる)が令和のこの時代まで変わらず続いてるのが単純に凄い。このご時世で中止になってしまったけど、こうやって歴史や文化がちょっとずつ失われてしまうのかなって怖くなったので来年こそは開催されて欲しいです。

私は性別的な意味でこの祭りに参加することは叶わないけど、こうしてブログにして誰かが読んでくれて、岩手に蘇民祭という変なお祭り(褒めてる)があるって事を知ってくれたら、そしてそれが伝承のきっかけのきっかけのきっかけくらいになってくれたら嬉しいなと思います。おわり。

 

 

裸の男と炎の祭り(※公式キャッチコピー)黒石寺蘇民祭①

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蘇民祭って知ってますか。

 

多分、岩手県民とゲイ・コミュニティくらいでしか聞くことの無い単語だと思うんですけど、岩手県内各地で冬に行われてる裸祭りです。

 

旧正月の7日夜から8日朝にかけて行われる行事で、裸の若者たちが堂前で東西に分れ、押し合いながら「蘇民袋」を奪い合う奇祭です。

蘇民袋を奪い取った者が住んでいる方角が、その年、五穀豊穣の福運を授けられると言われています。県内では、奥州市水沢区の黒石寺(こくせきじ)、江刺区の伊手熊野神社(いでくまのじんじゃ)、花巻市の胡四王神社(こしおうじんじゃ)などで行われます。

http://www.bunka.pref.iwate.jp/archive/ny18

 

いわゆる「奇祭」のひとつとして取り上げられる事が多い蘇民祭。一番有名なのは黒石寺の蘇民祭ですね。(ポスター騒動とかありました)

実は過去に2回ほど現地に見に行ったことがあります。何年か前にニコ動で「日本のヤバい祭り」として黒石寺の蘇民祭が生中継されてたこともありました(それも観た)

去年は例に漏れずコロナで開催中止となってしまったけど来年はどうなんだろう。

 

せっかく行ってきたのに特にレポートする機会もなかったので、記憶を辿りながら今更まとめようと思います。

最初に謝っておきますが5、6年くらい前の記憶なので、細かい行事の順番や内容なんかはちょっと間違っているかもしれないです。すいません。

 

そもそも蘇民祭って何

蘇民祭(そみんさい)は、岩手県を中心に日本各地に伝わる裸祭りである。1000年以上の歴史を持つと言われる。岩手県内では毎年1月から3月にかけて複数の蘇民祭が行われ、岩手の蘇民祭の名称で国の選択無形民俗文化財として選択されている。その中で最も著名なものは日本三大奇祭ないし日本三大裸祭りの一つに数えられることもある奥州市の黒石寺蘇民祭である。蘇民祭 - Wikipedia

蘇民将来って人がいい事したから神様が褒めてくれたよ!ってことらしい。

 

茅の輪くぐりも蘇民将来に由来するとかってどこかで聞いたことがあります。

これね

備後国風土記』の逸文によると「北海より南方に旅をしていた武塔神が人間に化身し、貧しい蘇民将来(そみんしょうらい)と裕福な巨丹(こたん)という2人の兄弟に一夜の宿を求めたところ巨丹はこれを拒み、蘇民将来は快く旅人を泊め粟飯で貧しいながらも精一杯もてなした。それから数年後、妻を娶り子を為した蘇民将来の所に再び武塔の神が現れ、自分の正体が建速須佐之男命であることを明かすと共に茅の茎で作った輪を身に付け『我は蘇民将来の子孫である』と唱えれば無病息災が約束されるであろうと告げた」とされ、この逸話を基に平安時代中期には蘇民祭の原形が出来上がっていたのではないかと考えられている。武塔神の正体も地域により様々で、黒石寺においては薬師如来であったとされる。蘇民祭 - Wikipedia

 

んで具体的になにをするかというと

 

 

ふんどし一丁で

川で水浴びしたり火の上に立ったりした後

もみくちゃになりながら袋を奪い合う

というのを

2月の岩手県で、やります。

2月の、氷点下の、岩手県で、夜の10時から、朝6時くらいまでぶっ通しで、やります。

ふんどし一丁で。

 

ご存知かもしれないですけど、岩手県って本州の割と北の方にあるんですよ。2月上旬だとマイナス10度は絶対越えるんですよ。

蘇民祭が行われているのは岩手県でも県南部の方なので、盛岡よりはいくらか気温は高いんですがいかんせん山なので普通に雪積もってるし寒いです。しかも夜中だから一番冷え込む。

 

そんな中ね、川で水浴びるんですよ、ふんどし一丁で。

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見えます?川に入り桶に入った水を頭から被り水垢離をしているんです。これが黒石寺蘇民祭の最初の行事。午後10時です。

 

もうね、写真撮るにも寒くて手がかじかむし人多くて三脚建てるスペースもないしで写真全部ブレブレ。ていうか寒すぎてカメラのバッテリーがめっちゃ減る。スマホも然り。

 

参加してる男性たちはずっと「ジャッソー」「ジョヤサ」という掛け声をしているんですけど、これは邪を払う的な意味だそう。ていうかもうなんでもいいから喋ってないとリアルに寒すぎて死ぬと思う。たぶんどさくさに紛れて「ヒャッハーどやさ」とか言ってもバレない。

私なんてめちゃくちゃ着込んでるのに(極暖ヒートテック、カイロ張りまくり、ダウン、ネックウォーマー、帽子、ムートンブーツ、靴下3枚くらい履いてた)寒くて寒くて、でもこんな着込んでるくせに寒いとか言ったらふんどしの人に申し訳ねぇと思って、ずっと「さ………ぁあ゛あ゛〜うええぇぃぃぃ〜カーーーッ!!」って言ってました。

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川で水浴びたあと、次は火あぶりになります。

嘘だろ。

櫓のように高く組んだ生木に火をつけ、その上に乗って火の粉を浴びて穢れを祓う。(もうさっき十分穢れ祓ったじゃん…)これが柴燈木(ひたき)のぼり。

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人乗りすぎてて見えないけど、もうほぼ火事。

ほぼ火事なので寺の下には消防車がずっと待機してる。

一緒に行った友人のコートのファー部分に火の粉が付いたみたいで、近くにいた知らん人に「あの〜燃えてますよ」とか言われてたんですけど、人生で知らん人から「お姉さん燃えてますよ」って声かけられることある?火の粉ついてますよ!とかでもなく「燃えてますよ」(ごはんつぶ着いてますよのトーンで)なのなんなの。

火のおかげでちょっとは暖かいんだけど、生木なので煙が凄すぎて目にくる。風下にいるともれなくいぶりがっこになります。

 

たきのぼりが終わると、何だっけなこれ…

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火のついた棒で地面を左右に掃くようにして進みながら本堂に行くんだけど、この赤い手ぬぐいつけたおじさん(親方)の前で叫びながら地面に棒を叩きつけるんですよ。その気合いが足りないと親方に怒鳴られてリテイク出されます。地味に火の粉が飛んできて怖い。

水垢離からここまでで多分午後10時から12時?くらいです。

 

その後2時から鬼子のぼり(檀家の7歳になるこどもをおんぶしてお参りする)とかもあったんですけど、確か車に戻って寝てたので見てないですね、見ろよ。

蘇民祭は行事と行事の間が長いので、私のように車で寝たりとか、蘇民食堂(露店)で甘酒やおでん、そばなんか食べたりして各々時間を潰します。寒くてとてもじゃないけどずっと外には居られないです。まぁ参加者の人もっと寒いんだけど。

ちなみに参加者の人達はこのお祭り1週間前から精進入り(動物性たんぱく質、ニラ、ネギを一切口にしない)せねばならないらしく、この蘇民食堂でもそういうものは一切ない。うどんとそばとかもネギは別盛りになってる。もしかして出汁も植物性なのかな。

でも正直もつ煮とか牛すじ煮込みとか食べたいって思いました。味の濃い熱い物が食べたい…ラーメンとか…。

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ちなみに周りにファミレスとかコンビニとか、店と呼ばれるものは一切ねえから。(※お寺の下に1軒だけお食事処があって、そこは夜通し営業してます。ラーメンとかあるよ)

私は運転手ではなかったのでタンブラーに熱燗やら焼酎お湯割りやら入れて持っていきました。

でもカップ酒は蘇民食堂にもあるしなんと地酒もあり、とらまづというにごり酒はあの辺でしか飲めないのでオススメです。(同じ県内だけど私の住んでる辺りではほとんど見かけない)

 

 

そしていよいよ4時からメインイベント蘇民袋の争奪戦が始まります。

 

長くなったのでここで一旦切ります。